「節税=経費を使うこと」だと思っていた自分へ
個人事業主になって、16年目。
これまで、ホームページを作ったり、
動画を編集したり、
ITサポートをしたり、
PRのお手伝いをしたり。
ありがたいことに、なんとか16年間、事業を続けてくることができました。
でも、そんなぼくが最近、あらためて考え始めたことがあります。
それが、
「節税」です。
税金のことはプロに聞こう
じつは、個人事業主を長くやっているからといって、
税金のことを完璧に理解しているわけではありません。
むしろぼくは、
「今年は利益が出たな」
↓
「税金、結構払うことになりそうだな」
↓
「まあ、必要なものを買えば経費になるし……」
くらいの感覚で考えていたところがあります。
そんなぼくが今回、
かなり勉強になったのが、
税理士YouTuberとして知られる
「脱・税理士スガワラくん」
の節税についての話でした。
そして、いちばん刺さったのが、この考え方です。
「100万円節税するために300万円使うなら、それは本当に得なのか?」
これ。
めちゃくちゃ当たり前の話なのですが、ぼく自身、かなり考えさせられました。
「節税貧乏」という言葉が、ものすごく刺さった
たとえば、決算前。
「今年、利益が出すぎてる!」
となったとします。
そこで、
「じゃあパソコンを買おう」
「車を買おう」
「備品をまとめて買おう」
「何か経費になるものはないかな?」
と探し始める。
もちろん、事業に本当に必要なものなら問題ありません。
でも、
「税金を減らすためだけ」に買う
となったら、話は変わります。
仮に300万円使って、100万円税金が安くなったとしても、
手元のお金は300万円減っています。
税金は100万円減った。
でも、現金は300万円減った。
これでは、
「税金を100万円払って、200万円手元に残したほうがよかったんじゃない?」
という話になります。
これが、いわゆる「節税貧乏」です。
ここで、ぼくは一つの原則にたどり着きました。
節税は「税金を減らすゲーム」ではない。
「手元のお金を守りながら、税負担を最適化するゲーム」なんじゃないか。
この視点を持つだけで、節税の見え方がガラッと変わります。
そこで気になった「小規模企業共済」
今回、ぼくが一番、
「これ、ちゃんと調べてみよう」
と思ったのが、
小規模企業共済
です。
個人事業主や小規模企業の役員などが加入できる、いわば「経営者のための退職金制度」。
中小機構が運営しています。
掛金は月1,000円から7万円まで、500円単位で設定できます。
そして大きいのが、
掛金の全額が所得控除になる
というところ。
つまり、事業の「経費」ではありません。
ここ、ものすごく大事です。
小規模企業共済の掛金は、必要経費にするのではなく、個人の所得から控除します。
たとえば月7万円なら、
年間では、
7万円 × 12か月 = 84万円。
この84万円が所得控除の対象になります。
しかも、加入後も掛金は増額・減額できます。
つまり、
「利益が出たから、とにかく何かを買って経費にしよう」
ではなく、
「将来の自分のためのお金を積み立てながら、現在の税負担も軽くする」
という発想ができます。
これなら、単純にお金を使ってしまう節税とは違います。
しかも「積み立てたお金を借りられる」
さらに今回、ぼくが「えっ?」と思ったのがこれ。
小規模企業共済には、契約者貸付制度があります。
一般貸付では、納付した掛金をもとに、掛金の7〜9割程度の範囲で借り入れができます。
一般貸付の貸付限度額は10万円以上2,000万円以内、貸付利率は年1.5%とされています。
つまり、
「将来のために積み立てているお金」
でありながら、
「事業資金が必要になったときの資金調達の選択肢」
にもなる。
もちろん、「借りられるから実質タダ」と考えるのは危険です。
借入は借入です。
でも、
「節税のために消えてしまうお金」ではなく、「自分の資産として積み上がっていくお金」
というところが、ぼくにはかなり魅力的に感じました。
16年間やってきたからこそ、いま考えたい
ここで、ぼく自身の話に戻ります。
ぼくは個人事業主になって16年目。
これまで、
「売上を増やす」
「仕事を増やす」
「お客様を増やす」
「新しいサービスを作る」
ということには、かなり意識を向けてきました。
でも、
「利益をどう残すか」
については、もっと早く考えてもよかったのかもしれません。
個人事業主って、
「売上が増えた!」
と喜んでいると、あとから税金や社会保険料などがやってきます。
売上=手元のお金ではありません。
利益=自由に使えるお金でもありません。
そして、
節税=経費を増やすことでもありません。
ここを16年目になって、あらためて考えています。
もう一つ気になった「経営セーフティ共済」
法人や一定の個人事業主にとって、もう一つ検討対象になるのが、
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
です。
これは取引先の倒産などによる連鎖倒産を防ぐための制度。
掛金を積み立てながら、一定の条件で貸付を受けられる制度です。
そして税務上の取り扱いも重要。
ただし、ここは「240万円払えば240万円全部その年の経費!」と単純に覚えるのは危険です。
前納期間などによって税務上の処理が変わります。
中小機構の資料でも、前納期間が1年を超えるケースでは、全額をその年度に損金・必要経費にできず、期間に応じて処理する例が示されています。
だから、
「節税系YouTubeで240万円って言ってたから、12月に240万円払おう!」
ではなく、
「自分の場合はどう処理されるのか?」
を税理士さんに確認する。
これが大事です。
「節税」と「脱税」は、まったく違う
今回の話で、もう一つ強烈だったのがここです。
世の中には、
「これを使えば経費にできますよ」
「実質7割戻ってきますよ」
「税金がほとんどなくなりますよ」
みたいな話が出てくることがあります。
でも、
ここは絶対に乗らない。
節税は、
法律で認められた制度を使って、税負担を合理的に減らすこと。
脱税は、
本当は経費ではないものを経費にしたり、架空の取引を作ったり、所得を隠したりすること。
まったく違います。
そして怖いのは、
「節税のつもりだった」
では済まないこと。
だから、ぼくは今後、
「税金が安くなるか?」より先に、「これは合法的な制度として認められているのか?」
を見るようにしたいと思います。
そして、いちばん大事だと思ったこと
今回、スガワラくんの話を聞いて、7つの節税策を全部覚える必要はないと思いました。
小規模企業共済。
経営セーフティ共済。
役員報酬。
社宅。
役員賞与。
少額減価償却資産。
利益の繰り延べ。
もちろん、それぞれ知っておく価値はあります。
でも、それ以上に重要なのは、
「なぜ、それをやるのか?」
です。
「税金を減らす」より「お金を残す」
ぼくは今回、この考え方が一番大きな学びでした。
たとえば、
100万円払って30万円税金が安くなる。
これを、
「30万円節税できた!」
と見るのか。
それとも、
「70万円、手元から出ていった」
と見るのか。
同じ数字でも、見え方が全然違います。
だから、
節税のためにお金を使う前に、そのお金がどこへ行くのかを見る。
これが大切なんだと思います。
自分の資産になるのか。
将来戻ってくるのか。
必要な投資なのか。
それとも、税金を減らすためだけの消費なのか。
まずやってみようと思ったこと
今回の記事を読んで、
「よし、節税を極めよう!」
とは思っていません。
むしろ逆です。
「まず、自分が使える制度をちゃんと知ろう」
と思いました。
その第一候補が、
小規模企業共済。
個人事業主16年目なのに、ここをちゃんと考えていなかった。
これはちょっと反省です。
もちろん、加入資格や現在の所得、資金繰り、将来の受け取り方などを確認したうえで判断する必要があります。
そして、いきなり月7万円にする必要もありません。
月1,000円から始められます。
だからまずは、
「自分は加入できるのか?」
を調べる。
ここから始めてみようと思います。
今日のけんじの視点
今回の話を、ぼくなりに一言でまとめるなら、
「節税とは、お金を使うことではなく、お金の行き先とタイミングを編集すること。」
なんじゃないかと思います。
税金を払うこと自体は、悪いことではありません。
利益が出たから税金を払う。
それは、事業がちゃんと利益を生み出した証拠でもあります。
だから、
「税金を払いたくない!」
ではなく、
「必要な税金は払う。でも、知らないことで余計に払うのは避けたい。」
くらいが、ぼくにはちょうどいい。
個人事業主16年目。
これからは、
「売上を作る」
だけじゃなく、
「利益を残す」
「お金を守る」
「将来の自分にお金を残す」
というところまで、ちゃんと考えていきたいと思います。
そしてまずは、
小規模企業共済。
これは、ちょっと本気で調べてみます。
※この記事は、2026年8月時点で公開されている制度情報などをもとに、個人事業主としてのぼく自身の学びをまとめたものです。税制や制度は変更されることがあるため、実際の加入・節税・経理処理については、必ず最新の公的情報や税理士等の専門家に確認してください。
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